2016年 ディプロマ取得 佐藤直人さん

FGAを目指したきっかけ

小学生の頃、デアゴスティーニの雑誌「トレジャーストーン」に出会って購読し始めたのが、宝石を好きになるきっかけでした。付録の宝石を眺めたり、本誌に載っていた宝石の写真や解説を見たり読んだりするうちに、宝石の世界に引き込まれていき、気づいたら全号買い揃えていたくらい、宝石・鉱物が好きになっていました。雑誌が完結してからも、書店や図書館に立ち寄ったときに宝石・鉱物の本を見かけると、手にとって立ち読みをすることがあり、心の奥底には宝石・鉱物好きの気持ちがありました。
大学卒業後に進路について考えた際、何か資格を取って手に職を付けたい、取るなら子供の頃から好きだった宝石に関わる資格を取ろうと考えるようになりました。宝石に関わる資格として宝石鑑別・鑑定資格に興味を持ち、その中でもFGAに興味を持ちました。
クラフト学院の説明会を通して、FGAが宝石鑑別の知識・技術だけでなく、鉱物学的な知識なども総合的に学習し体得する資格であると知り、宝石の専門家となるに相応しい資格であると思いました。これから宝石に関わる仕事をするにあたっては、専門家と言われるような知識量が必要であると考えており、今後の自分にとってとても役に立つ資格であると考えたため、FGAを志望しました。

FGAまでの道のり

ファンデーションは基礎をしっかり学ぶために通学で、ディプロマは学費の関係上通信で宝石学を学びました。
ファンデーションは、鑑別器材の使い方や仕組み、宝石の流通経路など、知らなかったことも多かったですが、これまでに書籍などで知っていたことも多く、自分の宝石知識の再確認および補強をしている感覚で楽しく学べました。
しかしディプロマとなると話が変わってきます。ファンデーションよりも専門的な知識を学ぶのは勿論のこと、ディプロマでは更に、求められた問いに対して分かりやすく且つ素人でも分かるように説明できる能力も求められます。通信ではテキストの各章毎に添削課題が設けられています。自分が解いた課題を講師に添削されることで、私はこの能力を叩きこまれました。
またディプロマでは鑑別の実技試験があり、慎重になるあまり鑑別に掛ける時間が長くなってしまう私は、制限時間内に収めるのに苦労しました。
試験当日まで理論の復習と実技の練習を重ね、2日間に亘る試験に臨みました。正直に言うと、試験を受け終えた時、これは不合格だなと思っていました。自分の解答および鑑別に満足できなかったからです。
だから9月のある日にGem-Aから届いた成績通知にあった「PASS(合格)」の文字を見た時、最初は嘘だと思いました。しかしながら、自分の名前とGem-A番号が書かれているのをちゃんと確かめた後で合格の文字を見た時、ここでやっと嬉しさがこみ上げてきました。自分の努力・勉強に掛けた時間・お金が無駄にならずに済んだ、自信が一つ増えた、そう思いました。このFGAという自信を胸に、これからも頑張っていこうと思います。

FGAの取得を考えてる方へ

宝石学および宝石は、科学のあらゆる分野が結集した学問だと思います。化学、物理学、地球科学、種類によっては生物学も関わっています。科学の多くを網羅し、それらが組み合わさって出来たものが宝石であり、それが宝石の魅力の一つであると思います。宝石には科学の英知が詰まっています。
しかしながらその魅力が、あまり多くの人に知られていないように思われます。美しさばかりが注目されて、その美しさを作り上げている科学的な魅力が注目されないのは、とても勿体ないと思います。
宝石学を学習して、それを自分の言葉で伝えられるようになることは、宝石の魅力の発展、宝石文化の向上に役立つと考えられます。そのためにFGAがあると私は考えています。宝石の魅力を自分の言葉で語れるようになってみませんか?