ジュエリーの勉強を始めたきっかけは?

見たりするだけでも好きだったジュエリーですが、それを作ることを職業としてはじめて意識したのは大学生のときでした。大学卒業後は不動産会社に就職しましたがジュエリーへの興味は消えず、勤めながら専科に通い始めました。その後、やっぱり好きなことを一生の仕事にしたいと思い立ち会社を辞め全日制学科に入学しました。最初にクラフトを知ったきっっかけはたまたまですが、専科の授業を通じて丁寧な個別指導でマイペースな私にはぴったりと感じていたので、迷わずクラフトを選びました。

授業の雰囲気は、普段はとてもアットホームですが、集中するときは集中するというメリハリが効いています。みんな経歴や年齢はバラバラですが、ジュエリーを作ることが好きという共通点がありものづくりに対する姿勢など刺激を受けます。私は貴金属加工の授業が好きなのですが、1つの課題を作っていくなかでも疑問点がたくさんでてきます。その際、先生に質問する前にまず自分なりに考えてみるようにしています。同じものを作るにしてもその方法はいつもあり、先生ごとに実践に基づいた様々な技法を教えてもらえるので勉強になります。

作品について

四季の移ろいを敏感に感じ取り入れる着物の世界に興味があり、何か季節感のある和装小物を作りたいと考えました。梅雨という季節は嫌われがちですが、緑が美しく次の季節へ向けて力を蓄えているような感じがして私は好きです。そのような理由から、そんな梅雨の時期に雨に濡れて輝き楚々とした風情で咲く、額紫陽花をモチーフに選びました。

額紫陽花はたくさんの花が集まって1つの花になっています。そんな額紫陽花が雨に濡れてきらきらと輝く様子をイメージしました。中央の小さく細かな花は、石座の上部を石より一まわり大きくし、4ヶ所をたおして石を留めることで、石座1つ1つが小花にみえるようにしました。

またそのまわりを取り囲む8つの装飾花は1枚ではなく花びらパーツを2枚重ねることで、それぞれの花に表情がでるように工夫しました。