2024年 ディプロマ取得 高野真理子さん
FGAを目指したきっかけ
お店には宝石の鑑定を担当しているGIA.G.G.のタイトル所持者がいますが、定年が近くなったこともあり、お店で他に宝石学の資格をとる必要がでてきました。色々調べて、現在日本で取得できる有名な宝石学資格ということでFGAの取得を目指しました。
お店ではWEB関係の広報やサイズ直しなどの修理の仕事が中心で、あまり宝石とは縁のない業務をしていましたが、宝石って買うときは高いけど売るときは安いみたいな不思議なところがあって、もっとしっかり知りたいなという気持ちがあったのでチャレンジしました。会社からは金銭面でバックアップしてもらいました。
FGAの勉強
入学前は、もうちょっと簡単にとれるものだと思っていましたが、勉強を始めたらこれは結構難しいぞと気付き、そこからは真剣に勉強しました。
私は、遠方のため通信指導コースで受講しました。週に1回の宿題の提出は、仕事をしながらだとハードでした。しかし、通信でも質問には先生が詳しく答えてくれたのでしっかり勉強できたと思います。講義の動画も何度も見ました。テキストがすごく難しいので、先生の解説でやっと理解できました。
週1回の宿題の提出も最初は違和感がありましたが、終わってみると試験に合格するためには最善な方法だったのだと思います。私はだいたい平日は1日3時間くらい、休日は丸一日勉強していました。
実技試験は得意でした。初めの頃は的外れでしたが、数をこなすうちにわかるようになってきました。お店にもルースがいっぱいあったので、それを見て数をこなしました。また、修理の仕事でルーペを使うので、ルーペを使い慣れていたのもよかったと思います。
筆記に関しては理系だったので、文章を書くのも暗記も苦手でした。赤シートを使って覚えたり、過去問で描く練習をひたすらしました。

高野 真理子 さん
大正7年創業の関西の老舗の
宝飾・眼鏡・時計店 株式会社タカノ勤務

正しい宝石知識で接客することで売り上げも伸びる
宝石について詳しい説明を求めるお客様を担当するようになりました。勉強していくうちにお客様にしゃべれることが多くなり、それが信頼につながり、じゃあ買いますみたいな流れになってくると、しっかり説明できることはすごく楽しくかつ売り上げにもつながってよかったなと思います。将来的には海外に行って海外からの仕入れを行いたいと思っています。
それと、日本で宝石学を学んだ人たちと情報交換をしていきたいと思っています。また日本の宝石学は遅れていると思います。グリーンダイヤモンドやブルーダイヤモンドの色の起源などもよくわからない。高価なものを売っているのによくわからないではお客様に対して失礼だし、業界に対する信頼も損なわれると思いますので、そういった研究もして知識をみんなで共有していきたいです。
FGA資格の意義
私はお店のSNSも担当していて、いろいろなお客様の声も聞こえてきます。そういう中で、店頭に立っている店員に知識がないという意見はよく聞こえてきます。宝石のことも知らないし、加工の工程のことも知らない。これではお客様も信頼して高価なジュエリーは買えないのではないでしょうか。やはりしっかり情報や知識を持ってお客様に提案できる体制は必要かと思います。
株式会社タカノ代表取締役社長 高野真人氏より
当社は京都の伏見にて、大正7年に創業し私で3代目となります。初代のタカノ時計店から始まり、現在は時計・メガネ・宝石の複合店として、地域の皆様に支えられております。
京都では老舗というには若い創業100余年の会社ではございますが、様々な紆余曲折を経ても会社が存命できた大きな理由はなんといっても「お客様からの信頼」が大きかった様に感じます。
その信頼の元には、社員に確かな情報や知識がありそれをお客様にお伝えし、ご理解いただくといった長年培ったお客様との絆があると実感しております。
この度のFGA取得もそうですが当社はこれからも、お客様との絆を大切にすべく社員教育にも力を入れていく所存でございます。
また、科学が目覚ましい進歩を遂げている現代において情報や知識というのは常にアップデートが求められるものとなりました。この度の資格取得に満足せず、確かな情報や知識を常に追い求めて頂きたいと思います。