2025年 ディプロマ取得 佐藤ナナさん

FGAを目指したきっかけ

以前、株式会社ミキモトに勤務していた頃、周囲の先輩や同僚の多くがFGAの資格を持っていました。私自身、負けず嫌いな性格もあって、ジュエリーのプロとして仕事をする以上、誰よりも宝石について詳しくありたいという思いが常にありました。また、日々の商談の中でお客様から専門的な質問をいただくことがあります。その時に自信を持って正確に答えられるようになることが、お客様からの信用につながると考えたのが受講の大きなきっかけです。

通学も考えましたが、月一回の出張など仕事のスケジュールを考慮し、自分のペースで学習できる通信教育を選びました。

FGAの勉強

実際に勉強を始めてみると、FGAの理論は予想以上に学術的で、理解するのに苦戦しました。理論試験には模範解答がないと言われています。そこで、学院のWebシステムを活用して他の受講生の方の回答を見たり、動画教材を自分のタイミングで繰り返し視聴したりして、自分の回答をブラッシュアップしていきました。私は決して要領が良い方ではないので、最後の方は指にペンだこができるくらい紙に書き続けて、ひたすら頭に叩き込むという方法で知識を定着させました。

一方で、実技の勉強はとても楽しかったですね。同じ種類の石でもインクルージョン(内包物)の違いなどがあり、石ごとの「個性」に触れているようで面白かったです。とにかくたくさんの石を見て、特徴を掴むことを意識して取り組みました。

2年間の学習期間は、振り返るとあっという間でした。ただ、正直に言うと、過去問を解いている段階では合格が危ぶまれるような成績でした。そこで試験直前の1ヶ月間は仕事をセーブし、朝から晩まで勉強に没頭しました。「やらなくて落ちるより、やって落ちた方がいい」と腹を括り、試験当日は分からない問題があっても絶対に白紙にはせず、何かしら記述して最後まで諦めない姿勢で臨みました。その粘りが結果につながったのだと思います。

佐藤 ナナ さん
オリジナルジュエリーブランド「CARCAJOU(カルカジュー)
企画デザインから制作、販売までを一手に担う

ブランドを世界に通用するものに

資格取得の効果は、日々のビジネスシーンですぐに実感できました。例えば、本物の真珠とイミテーションの違いや、天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドの違いなどをお客様に根拠を持って説明できるようになったことで、話が弾み、深い信頼をいただけるようになりました。その信頼が、オーダーメイドやリフォームのご依頼といった新たなビジネスチャンスにつながっています。

また、屈折計などの機材を使って、自分で石の鑑別や目利きができるようになったことも大きな自信です。今後は海外の展示会などにも積極的に足を運び、自分の目で宝石を選んで仕入れを行い、ブランドを世界に通用するものにしていきたいと考えています。

FGA資格の意義

FGAの取得には費用も時間もかかりますが、それ以上の価値が確実にあると私は思います。ジュエリーに携わる以上、お客様からの質問に対して「分からない」で終わらせず、自信を持って答えられることこそが、一流のジュエラーのあるべき姿ではないでしょうか。

知識が増えることで、石を見たりお客様と話したりすることが以前よりもずっと楽しくなりました。自分自身の仕事を楽しむためにも、そしてお客様からの信頼を得るためにも、ぜひ学びを深めてほしいと思います。

会社の創業者で佐藤氏の母の佐藤まゆみ氏より

創業当初から、弊社は良いものをお客様へをモットーに素材と真摯に向き合うことを大切にしてきました。この度の彼女のFGA合格は、その姿勢を確かな知識で裏付ける大きな一歩だと思っています。

また業務の中でも彼女が宝石の表面的な美しさだけでなく、その背景や本質と誠実に向き合おうとしてきた姿を、長くそばで見てきました。

ブランドを継承する立場としてだけでなく、宝石を扱うプロフェッショナルとしての責任も自覚している点を創業者として頼もしく感じています。

FGA合格はゴールではなく、宝石を扱う者としての責任と審美眼を、確かな知識で裏付ける大切な通過点だと思っています。

これからは自分自身の言葉と感性、そして専門性をもって次の世代へ繋ぎ、彼女なりの視点、やり方でCARCAJOU(カルカジュー)の世界観をさらに豊かにしていってくれることを、期待しております。